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2012/09/21

王座戦第三局 ニコ生解説の感想

王座戦第三局のニコニコ生放送、
タイムシフトで見終わりました。

といっても10時間超の内容を
1日しか見れない、という仕組みなので
飛ばし飛ばしで解説の部分だけをみる、という感じ。

佐藤天彦七段の解説はとても好印象。
将棋に関して「真摯に取り組む」という様子が伺えて
解説もうまく噛み砕いて説明してくれて分かりやすい。
ニコ生ならではの雑談でも、ネタが多い
多趣味な彼ならではの内容で、
「だって俺はこれが好きなんだからいいじゃん」という
いい意味での開き直りは清々しく、
聞き手の藤田さんが一般女性目線で突っ込んでたのが
とても面白く見れました。

個人的に最も興味深かったのが
54手目 △3三桂が指されたシーン。
棋譜コメントにも少し載っていますが
(http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/60/ouza201209190101.html)
文字にして残っている様子だけだと、
直前の予想が外れた、というだけではありますが
「いやー暑いですね」の部分に注目。

ここ、映像の中では
△3三桂が指された後、
「ちょっと失礼、お水を」と水を飲み、
大きく「ふぅ」と溜息。
「3三桂ですか・・・」とつぶやき、また溜息。
その後急に腕まくりしだし「暑くなってきましたね」。

完全に動揺してるのです。

推測ですが、3三桂は天彦七段の読みになかったんでしょう。
プロの「読みにない」には
「最善ではないから考えるまでもない」と
見えていても読んでないケースが多々あると思うのですが、
おそらく、この3三桂は見えてなかったんだと思います。
見えてない手についても、プロはおそらく
ひと目でおおよそ「良い手」か「悪い手」か
判断ができると思います。
そしてこの3三桂は「良い手の可能性が高そう」と
判断したんでしょう。

だからこその動揺。
感想戦で羽生二冠も「すごい手ですよね」とコメントしてます。
渡辺王座は「変な手」と言っていますが、
これこそ「勝負手」なんだろうな、という気がしました。
戦局を決定づける手ではないですが、
相手の読みや狙いを外し、より複雑にする手。

勝負手を指された、読みを外された時、
指された方はどういう心境になるのか。
対局者はそんな態度を相手に見せることはありえないけど、
天彦七段が、解説者という立場ではっきり見せてくれました。

これが見れただけでも満足です。
素晴らしい。これだから将棋見るのは面白い。


明日対局。明日対局。
(2012/07/13)
渡辺 明

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